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つれづれ日記

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2005年 06月 13日

やっと帰ってきました

今日調査から戻りました。朝5時半起床、そのまま作業(肉体)を続けて、延々夜の10時まで調査でした。寝る暇はほとんどなし。夜も風呂に入ったらそのまま寝入ってしまいました。肉体的にはへとへとですが、デスクワークよりも充実感があります。

さて読売新聞から
 中央教育審議会は13日の総会で大学院改革に関する中間報告「新時代の大学院教育」をまとめ、中山文科相に提出した。報告は、企業などに勤めながら研究論文を大学に提出して博士号を取得する「論文博士」について、「諸外国の制度と比べ日本独特の論文博士は、将来的には廃止する方向で検討すべき」と指摘、大学院の教育課程を修了して博士号を取得する「課程博士」制度に一本化する方針を決めた。博士号の取得方法を国際基準に合わせ、日本の学位が国際的に信頼され、通用するようにする。2002年度では博士号取得者の約3割が論文博士となっている。文部科学省は「現在、論文博士を目指している人を切り捨てるわけではない。社会人などが何らかの形で大学院に戻り指導を受けられるよう検討していく」としている。
(2005年6月13日19時18分 読売新聞)

私も論文博士です。博士号をもらうために、論文を10本書かねばなりませんでした。実験系と違い、フィールドワーク主体で10本はきついです。もうその苦労もすでに数年が経過しました。博士論文の内容はすでに陳腐なものに成り下がっています。

日本の論文博士制度は確かに独特のものです。欧米では考えられない制度です。まず、ドクターを大学で取得し、それから優秀な人は研究機関に就職していきます。しかし、日本ではそんなことをしていたら、ほとんどのドクターは就職なんてできません。医学や特殊な工学などでの学位ではよい就職があるかもしれませんが、理学や農学など悠長なことを言っていたら、それこそ貧乏な生活まっしぐらです。まずはそのような状況を打開すべきです。国は基礎科学に力を入れているといいますが、まったくの反対で、儲けがでたり特許が得られる分野にしか力を注いでいません。いわゆる、ナノテクとか分子生物学です。企業も営利団体だから基本的に儲けがでるところにしか力を注ぎません。それでよいのか?という議論からはじめるべきでしょう。

論文博士というのは、実は過程博士よりも優秀な内容であることも多いです。それは、非常に多くのデータを長期間に渡り解析したものが多いからです。そういう内容を切り捨ててよいわけではありません。新聞にも書いていますが社会人が今後博士号を取ろうとした場合、国立大学法人では大体200~300万の学費が必要です。そのうえ、交通費やその他雑費を加えたら、家の頭金くらいは吹っ飛びます。論文博士だと、私の場合、すべて込みで100万くらいでした。

理系に入るとお金ばかりかかります。そのお金をかけた分だけ報われるか?というとそうでもありません。ほとんどの会社のトップは文系出身者で固められています。そういった硬直した社会システムが理系離れおよび優秀な人材の海外流出を招いているのだという現状認識はあるのでしょうか?一度だれかに聞いてみたい気がします。

by seisan_r11s | 2005-06-13 21:49 | 日記


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